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グリーフケアに関する本の紹介
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子どもにとって別れとは

親やきょうだいなどの家族との別れは、子どもにとってさまざまな喪失体験となります。
たとえどんなに幼い子どもであっても大切な人との別れは、子どもにさまざまな思いや感情をもたらします。
年齢によってはその表現は、泣く、悲しみという表現で表されるとは限らず、何事もなかったように振舞う、いつもより元気なようにさえ見えることもあります。どのような年齢の子どもでも直面した問題には、何らかの形で向き合っているのです。

  • 親・きょうだい・祖父母などの家族との別れ
  • 友だち、学校の先生、近所の人など子どもにとって身近で大好きだった人との別れ
  • 子どもが大事にしていたペットとの別れ

この他にも大事なものが壊れた、失くしたなど人との別れ以外のことも広い意味では子どもにとって大きな喪失の体験となります。

子どもが体験する別れを中心に・・・その原因にはさまざまなものがあります。たとえば・・・

病気

子ども自身が病気になり、時には早い死を迎える場合も少なくありません。亡くなっていく子どもにとっても、それは大きな問題です。
一方でその残されるきょうだいが、兄・姉・弟・妹との死による別れを体験するということは、大きな喪失と悲しみを体験する場となります。 残されたきょうだいの年齢によっては、きょうだいの病気、入院に対して複雑な思いを抱えている場合もあります。たとえば、その死が、自分がきょうだいをいじめたせいであるなどのように、自分のせいで相手が死んでしまったととらえることも幼い年齢では少なくありません。このようにきょうだいの死に直面したとき後悔や自責の思いが複雑に絡むこともあります。

不慮の事故

わが国では、1~19歳まで年齢では、死亡原因の第1位は、交通事故、溺水、溺死などの事故によるものです。
この事故が、各年齢で子どもの死亡数全体の 20~35%を占めています。子ども自身が、事故が原因で命をなくしていると同時に、事故できょうだいを失う子どもたちも、とても多くいるということで す。このような事故による死別は、ある日突然起こることが大きな特徴であり、突然の別れに向き合うことになります。

自殺

日本での2005年の自殺死亡率24.2(人口10万対)、年間3万人余が自殺で亡くなっています。
年齢別でみた死亡原因では20~39歳までの年齢で死亡原因の第1位を占めています。
親や兄弟、知り合いを自死(自殺)で亡くす子どもたちも決して少なくないです。

離婚

日本では2005年の離婚率2.04(人口千対)、離婚家庭のうち子どもがいる夫婦の割合は58.8%との報告があります。現代社会の中では母親、父親のいずれかと別れて暮らすことになった子どもたちは少なくありません。これらの問題は、死の問題と同様に子どもに多くが伝えられないまま、父親または母親と別れて暮らすことを余儀なくされている場合があります。

これも死別のときと同様に、子どもに説明をされないことが、自分のせいでこうなってしまったのでは考えたり、自分の存在そのものが脅かされる思いを子どもにもたらすことがあります。このような別れもまた、子どもにとっては一つの喪失体験となります。

災害・事件

日本でも地震、台風など多くの災害が報じられています。震災では、多くの方の命が失われ、親などの身内を亡くした多くの子どもたちがいます。 災害での喪失、悲嘆は、突然であること、大事な人を失うだけではなく、時には住居、環境など多くのものを同時に失う、また恐怖の体験としても心に刻まれるという非常に複雑な様相を示すため、心が癒されるためには長い時間を要するといわれています。

また、事件などに巻き込まれて突然大切な人を失うということも、同様に複雑な様相を示し受け入れ難い出来事となります。

引越し・転校などによる別れ・・・

子どもにとっては、このような別れも時には大切な人やものとの別れとなり喪失体験として心に刻まれます。

子どもが親しい人や身近な人を失うことには、まだまだ多くの理由や原因がありますが、子どもが生きていく中では、さまざまな出会いと同時に子ども自身が別れを体験することはけっして少ないのです。 このように子どもたちは、日常生活の中ではさまざまな喪失に出会います。特に死別など一生の別れとなる問題には、大人でも大変な悲しみを抱え、癒されるには時には多くの時間とサポートを必要とします。

子どもは、年齢によってはそれらを言語化できないため、その喪失や悲しみの思いを十分に誰かと分かち合えないまま過ぎていくことがあるのです。そのことに気づいて、一緒に過ごす時間が大切になります。